透明ダルマピン(やてむ)
h1.0×w1.0×d2.4cm
透明ダルマピンに糸、フェルト
2021
たくさんの一人ずつ
80.3×174.6cm(3点組)
パネル、カンヴァス、木枠、ビニールにアクリル絵具
色鉛筆、オイルパステル、鉛筆、ボールペン、油性マジック、墨汁
2021
たくさんの一人ずつ(部分)
黒いモンステラ(洗髪)
30.2×26.8cm
プラスチックシートにアクリル絵具
2021
歓迎する
41.0×31.8cm
木枠、綿ガーゼにアクリル絵具、粘土、折り紙
カラーペン、色鉛筆
2021
みみのこ
18.0×14.0cm
パネルにアクリル絵具
2021
さもやて
6.5×3.0cm
段ボールに糸、接着剤
2021
椅子に作品
「布(リネン・ヘンプ)」
「オル」
「なりかたち(ふきのせ)」
オル
h16.5×w31.6×d1.9cm
木枠に靴下、糸、画鋲、綾テープ、木ビーズ
2021
布(リネン・ヘンプ)
40.0×75.0cm
麻布に刺繍糸、ガラ紡糸、糸、ボタン、紙、安全ピン、布
2021
なりかたち(ふきのせ)
h9.2×w9.4d×5.2cm
木片にアクリル絵具、メディウム、ラメ、色鉛筆
2019
帽子の中の頭の中
72.7×91.0cm
パネルに和紙、アクリル絵具、クレヨン、鉛筆、墨汁、カラーペン
2021
モチーフなし
60.3×57.0cm
ポリエステルフィルムにアクリル絵具
2021
あるひの光
41.0×41.0cm
カンヴァスに胡粉入りジェッソ、油彩、テンペラ
2021
画鋲(きせう)
h1.0×w1.5×d1.5cm
画鋲に糸、フェルト
2021
つられた布
54.0×40.5cm
布巾にアクリル絵具、鉛筆、ハンガー、クリップ
2021
ともし火
14.6×14.6cm
桐箱のふたに胡粉入りジェッソ、油彩
2021
布(遠州綿紬)
37.0×16.8cm
木綿に刺繍糸、ガラ紡糸、糸、ボタン
2021
2021.10
個展 会場風景
Oギャラリーeyes(大阪)
今回展示した作品「歓迎する」のモチーフとなる光景に出会ったのは、4月の始めの頃でした。日の暮れ始めに移動中の信号待ちで橋の上から見た川辺の春の清々しい緑の植物と秋のススキの様な薄い黄土色の植物が一緒に風に揺れ動いているのを見ました。
その光景はこの世界にいることを心から喜び、歓迎している様でした。
その体感は季節や時間や場所を超えたものの様に感じられました。それは、私がそこに居てそれを見たということも含め、その場所その時間のその植物や風であったからこそで、それ以外では在り得ないと感じます。
その光景を絵という物質として異なるもので表現するために、その時の空気や光の色や質感などから、綿のガーゼの透けた柔らかい雰囲気をキャンバスの木枠に張ることにしました。そこにアクリル絵具やカラーペン、折り紙などで自分の中の記憶に留まっているその時の植物の形や色や動きなどを一つずつ描いていきました。植物が上に伸びるように上に向かう線ばかりを描いているとあの光景から少しずつ離れていくのを感じ、草が揺れることが出来るのは根を張っているからだということに思い至ったので下へ向かう線も描き、その土のことも思い起こして土から出来た粘土で黄土色の植物を描きました。
この作品が植物や光景から現れたのと同時に、キャンバスで起こっている事が光景に近づいたり離れたりしながら進んで行き、綿ガーゼや絵の具や粘土などそれぞれの特徴を持った物質や描き方として一つずつ定着していくことで、その組み合わせや成り立ちでしか在り得ないものとして現れました。
それは、あの光景の成り立ちとも通じるものがあり、物質と描くこと(記憶や感覚、認識、意図などとそれらによる行為)の組み合わせのバランスが光景と重なった時にそこに宿っていた喜びや命の様なものが作品にも現れるのだと思います。
その他の作品も、制作することも含めて生きている中で心に残ったものやことをモチーフとしています。大袈裟にも思えることからなぜ気になったのかよく分からないものまで、在ると思えたものを私として出来るだけありのままに認め、表現しました。
また、自分がこれまでに得た表現方法を大切に思うと同時に囚われ過ぎることなく、モチーフや画面と向き合う中で不思議に奥の方から浮き上がってくる本当であると思えることを掴み離さない様にして、作りながら方法を決めていくことを大切に制作しました。
©︎Yoko Kawaguchi / photo credit : O Gallery eyes